ご挨拶

会長挨拶               
埼玉県整形外科医会会長  鮫島 弘武 

 

活動報告写真

会長挨拶               
埼玉県整形外科医会会長  鮫島 弘武 

〇整形外科かかりつけ医を持ちましょう
整形外科は骨、関節、靭帯、筋肉、腱、脊髄、手足の神経など運動器を対象とする科です。最近健康寿命が話題になっています。日常的、継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で自立した生活ができる生存期間、つまり健康に過ごせる期間のことです。平成28年の平均寿命と健康寿命の差は男性8.84年、女性12.35年と発表されています。整形外科はこの健康寿命に大きくかかわっています。平成28年度の厚労省の発表による高齢者の介護が必要となる主な原因は、1.認知症(18.7%) 2.脳血管疾患(15.1%) 3.高齢による衰弱(13.8%) 4.骨折、転倒(12.5%) 5.関節疾患(10.2%)6.心疾患(4.7%) 7.その他不明(24.9%)です。骨折・転倒と関節疾患は整形外科の対象疾患です。合わせると22.7%と整形外科疾患が介護必要となる1番の原因です。整形外科疾患を予防し、治療することが非常に大切です。腰痛、関節の変形による痛みなど容易に治らない疾患もありますが、我々整形外科医会会員は少しでも皆様の健康寿命が少しでも平均寿命に近づけるように、そして幸せな長生きをしていただきたいと考えています。
昨今、テレビ、インターネットなどで様々な情報が飛び交っています。テレビでは多くの健康番組があり、バレエティ番組のようにひな壇に数多くの医師らが座りコメントをしています。それもスピーディーに刻一刻を争うように数秒のコメントですべてが解決するかのように取り上げられます。医師らも、もっと細かく説明したいと思っていると思いますがテレビの世界では許されないようです。そして、そのコメントが独り歩きし、万能薬のように広まっていきます。実はそれが合わない場合や、やってはいけないケースもあるのです。近くに相談できるかかりつけ整形外科医も持っていただきたいと思います。我々会員は、皆様の5年10年の先を考えその時に最も良い選択肢を提供できるよう努力しています。そのため、医会では年に多くの講演会を会員向けに開き、各分野で第1線を担っている先生方をお呼びし、開業医でも常に最新の最善の医療を提供できるように切磋琢磨しています。
〇子供たちのために
 最近、運動をする子、しない子の2極化が見られます。運動しない子は将来のロコモティブシンドローム(「運動器の障害」により「要介護になる」リスクの高い状態になること)や骨粗鬆症などの予備軍の可能性があります。また、運動のやりすぎも関節障害などを起こす可能性があります。学校検診も平成28年度からはじまりました。整形外科医は、子供たちの一生にかかわる問題が起きないように真摯に取り組んでします。
〇市民向けの公開講座、医療相談を実施しています
 日本整形外科学会は、10月8日を『骨と関節の日』とさだめました。これは国民の皆様に、整形外科の行なっている医療の内容をよく知っていただき、骨と関節を中心とした体の運動器官の健康が、体の健康の維持にいかに大切であるかを認識し、日常生活で注意していただきたいと考えたからです。これにちなみ、埼玉でも毎年10月の日曜日に運動器に関する講演会、会員による医療相談を開催しています。このホームページに掲載しますので是非ご参加ください。